EIDリサーチ・リソースライブラリー
(Emerging Infectious Disease research resource library)

概要

新興感染症の感染拡大や重症化を防ぐために、迅速で適切な情報発信の整備が必須となっています。私たちは、これまで行って来た世界的規模の新興感染症に対する臨床疫学研究の経験から、医学・臨床的、疫学的、人文社会学的指標等の学際的な観点から科学的に検討することが必須であることが明らかになっております。本プロジェクトはこれらの視点を以て、現実空間(フィジカル空間)と仮想空間(サイバー空間)を使い、感染・重症化要因の解明、感染の流行監視・流行予測等により、人々の感染回避行動に関わる意思決定支援の基盤を構築します。また、誰もが等しく必要な情報を受け取るための情報発信技術・モデルの開発を行います。

JST未来社会創造事業『超スマート社会の実現』領域 “感染リスク共存社会を支えるCPSモデルによる意思決定支援基盤の構築”の研究開発(2020年10月-2023年3月)、有事から平時を通して新興感染症に頑強な社会の創出に寄与できる研究プロジェクトを展開していきます。

達成目標

平時―有事を通した新興感染症に頑強な社会の構築

主な研究テーマ

  1. 感染の流行監視とエビデンス創出システムの確立 (A.流行監視と流行予測,B.感染・重症化リスクの解明)
  2. あらゆる人々への情報発信システムの確立(C.あらゆる人々への情報発信)

平時―有事を通した新興感染症に頑強な社会の構築の概略図

研究代表者

間辺利江 名古屋市立大学 医学研究科 次世代医療開発分野/データサイエンス学部 准教授

共同研究者

山田満
早稲田大学
工藤宏一郎
早稲田大学
間辺広樹
四天王寺大学
藤倉雄二
防衛医科大学校
竹尾淳
名古屋国際工科専門職大学
川出義浩
名古屋市立大学
神林弾
昭和薬科大学
森啓悟
ジーワン株式会社
小鹿不二人
株式会社エスアンド

研究成果

学術論文

書籍

  • 山田満、堀江正伸 編,吉川健治、堀江正伸、宮下大夢、山田満、本多美樹、金森俊樹、山本剛、桑名恵、阿部和美、中野洋一、升本潔、間辺利江、福井美穂、利根川佳子、佐藤滋之、峯田史郎、本多倫彬、加藤丈太郎 著. "新しい国際協力論【第3版】", 明石書店、全400ページ.
  • YAMADA Mitsuru. Peking University-Waseda University Joint Research Initiative ed., Understanding Regional Dynamics in Asia-Pacific, Waseda University Press, p78-95.
  • 山田満、本多美樹 編,山田満、本多美樹、桑名恵、堀江正伸、宮下大夢、阿部和美、島﨑裕子、利根川佳子、佐藤滋之、劉弘毅 著.『「非伝統的安全保障」によるアジアの平和構築-共通の危機・脅威に向けた国際協力は可能か-』明石書店、全260ページ.
  • 間辺利江、藤倉雄二、神林弾、工藤宏一郎. 【COVID-19の新知見】COVID-19患者に対するファビピラビルの治療効果. 77巻3号 p280-291 臨床免疫・アレルギー科,科学評論社 2022年.

学会発表

  • 間辺利江、間辺広樹、神林弾、川出義浩、藤倉雄二、工藤宏一郎. 疾病集積性によるCOVID-19アウトブレイクパターンの検証と流行予測の検討. 第97回日本感染症学会総会・学術講演会,第71回日本化学療法学会学術集会合同学会,2023/4/28/-4/30
  • 間辺利江、神林弾、間辺広樹、川出義浩、藤倉雄二、工藤宏一郎. 人々の感染回避行動の意思決定を支援するスマートフォン向けアプリの開発への取り組み. 第97回日本感染症学会総会・学術講演会,第71回日本化学療法学会学術集会合同学会,2023/4/28/-4/30
  • 神林弾、間辺利江. COVID-19に関するTwitter情報と感染者数との関連についての検討. 第97回日本感染症学会総会・学術講演会,第71回日本化学療法学会学術集会合同学会,2023/4/28/-4/30
  • YAMADA Mitsuru. International Coopeation in Asia for the Development of Social Innovator., The Campus Asia Kick Off Symposium 2022年3月30日.
  • 谷垣智美、藤倉雄二、芹沢悠介、野村祥加、末松良平、渡邊智恵、佐野友哉、槇陽平、長盛親、宮田純、君塚善文、間辺利江、川名明彦.COVID-19予後予測スコアの妥当性について.第70回日本感染症学会東日本地方学術集会(東京・ハイブリット開催)2021年10月27日-10月29日
  • 神林弾、間辺利江、廣原正宜. 健康サポート薬局薬剤師のCOVID-19に関する知識・態度・行動の全国調査:地域高齢者へのCOVID-19対策の検討. 第5回日本老年薬学会学術大会(東京・WEBハイブリッド開催) 2021/5/15/-5/16
  • 神林弾、間辺利江、廣原正宜. 地域在住高齢者へのCOVID-19対策の検討:健康サポート薬局の薬剤師の全国調査の結果から. 第95回日本感染症学会学術講演会(横浜・WEBハイブリッド開催) 2021/5/7-5/9
  • YAMADA Mitsuru. The Asian Peacebuilding from the Viewpoint of "Non-Traditional Security Cooperation:NTS": The Asian for Security Phases Based on Issues and Actors., The Fifth 2020 PKU-Waseda Workshop 2021年3月30日.

講演

  • Manabe T. How to conduct clinical research using the example of studies on COVID-19 in Vietnam, The International Scientific Conference on Emerging and Re-emerging infectious diseases, Hanoi, Vietnam, March 21, 2023.
  • Manabe H. Introduction to handle time series data using python - Data Collection - Data Visualization - Prediction of infectious disease epidemics, The International Scientific Conference on Emerging and Re-emerging infectious diseases, Hanoi, Vietnam, March 21, 2023.
  • Kambayashi D. Detection for the disease clustering of Emerging infectious diseases using Spatial-Temporal Analysis, The International Scientific Conference on Emerging and Re-emerging infectious diseases, Hanoi, Vietnam, March 21, 2023.
  • Manabe T. How to conduct clinical research using the example of studies on COVID-19 in Vietnam, - BACH MAI HOSPITAL - 2023, Vietnam, March 10, 2023.
  • Manabe T, Kambayashi D, Kudo K. Factors influencing to infection and severity of COVID-19 from the comprehensive perceptions., The 6th NTS-Asia Consortium Annual Conference, Singapore, April 6, 2022.
  • 山田満.平和構築の可能性:私たちは世界の人々と共感できるのか? 東洋英和女学院大学国際関係研究所, 2021年2月5日.
  • Manabe T. How to control COVID-19 pandemic successfully, lesson learned from Japan., The 110th Anniversary of Establishment & the 31st Scientific Congress of Bach Mai Hospital, Hanoi, Vietnam, 2021
  • 工藤宏一郎. 知っておきたいCOVID-19: 肺音についての考察を含めて. 第45回 肺音(呼吸音)研究会 (名古屋市・WEBハイブリッド)2020年11月15日.

成果物

スマートフォン向けアプリ
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防御行動につながる意思決定支援の為のスマートフォン向けアプリ< Android 版>の開発 2021年7月21日リリース
冊子等
  • 「新型コロナウイルスに負けない あなたの健康を守る豆情報」2023年5月21日発行
  • 「新型コロナウイルスに負けない!② 感染防御-気をつけること、気をつけ過ぎないこと―」2023年3月1日発行
  • 「新型コロナウイルスに負けない!① フレイルを知って予防しよう」2023年1月9日発行
  • 「新型コロナウイルスに負けないからだづくりフレイルを予防しよう!」。2021年4月10日発行
  • 「薬局薬剤師の為のCOVID-19感染症情報発信ステーションの手引き」2021年4月6日発行

シンポジウム等の開催

「データで読み解く新型コロナウイルス感染症 -地域医療の今、そしてこれから-」
開催日:2023年2月4日.
登壇者:工藤宏一郎、間辺利江、藤倉雄二、山田満、間辺広樹、川出義浩、神林弾,
 主催:JST未来創造事業研究班
 共催:名古屋市立大学医学部附属西部医療センター、早稲田大学 地域・地域間研究機構AHC研究所、ジーワン株式会社、株式会社エスアンド
「薬剤師のここが知りたい COVID-19と経口抗ウイルス薬の基礎知識」
開催日:2022年4月10日.
登壇者:神林弾、田葉一也,
 主催:JST未来創造事業研究班
 共催:ジーワン株式会社
「サイバーフィジカルシステム(CPS)モデル」研究を専門家がやさしく解説」
開催日:2022年3月26日.
登壇者:間辺利江、藤倉雄二
 主催:JST未来創造事業研究班
 共催:ジーワン株式会社

報道発表等、抜粋

【中日新聞 朝刊】コロナ禍の3年間、感染リスクの変遷を分析すると… 都市部は免疫獲得?
【読売新聞 愛知県版】感染リスク 地図で可視化 名市大など
【読売新聞 全国版】コロナ感染リスクは「西高東低」、名古屋市立大など「地図」作成…年末年始の注意呼びかけ
【山陽新聞】新型コロナ アプリで感染回避行動を 名古屋市立大の准教授ら試作版開発
【秋田魁新報】新型コロナ アプリで感染回避行動を 名古屋市立大の准教授ら試作版開発
【MEDIFAXweb】アプリで感染回避行動を 名市大准教授ら開発
【中部経済新聞】アプリで感染回避行動を 名市大准教授ら開発
【Yahoo!Japanニュース】「正しい情報で理解を」感染リスクをアプリで“見える化” 名古屋市立大准教授らが開発
【ABEMA NEWS】ABEMAヒルズ 感染リスクを回避せよ!可視化アプリとは
【JST未来社会創造事業WEBページ】名古屋市立大学の間辺利江准教授らの研究グループが、COVID-19の感染防御行動につながる意思決定支援アプリを開発し、プロトタイプを公開
【名古屋市立大学ホームページ】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防御行動につながる意思決定支援の為のスマートフォン向けアプリ(新興感染症リサーチ・リソースライブラリー)を開発